GSG
悲鳴と同時に全速力で2人逃げた。けれど白い人影も、ものすごい速さで追いかけて来る。
「待ってっ!!!!!待ってよっ!!!!!」
ドンッ!!「キャァッ!!!」
ひかりが転んでしまった…!
「ひかり!!!ひかり!!!」
完全に意識を失っていて揺すっても呼びかけても反応しない。後ろからする足音が大きい。白い人影はもう近くにいる!
私は…半泣きのまま、ひかりを置いて1人でその場を立ち去ってしまった。
ひかりを置いて…。
数秒後、足音が聞こえなくなったのを確認した。その瞬間、自分のやってしまったことを、過ちを、全てを…思い出した。
「ひかり、…ひかりいいいぃぃいいぃい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
涙が止まらなかった…。
私は恐る恐るひかりの転んだ場所へと戻っていった。
しかし、ひかりの姿はなかった…。
遺されていたのは、ひかりのものだと思われる大量の血痕だった…。
私は…私は、約束を破ってしまった。
「ひかり…。」
外も、もう明るくなってきていた頃だった。私はそこからの記憶がない。