短編■ 「誠に遺憾です」


28歳、高校教師、見た目は20点の旦那様。


出会ったその日に…なんて考えられなかった。

兄の結婚に意気揚々酔っ払った彼を、私はそのまま連れ込んだ。


酔った勢いだったのに、真面目だから責任をとるよ、と。
何も知らない彼は翌日私の彼氏となった。

それでしばらくして妊娠したと告げて今に至る。

きっかけはどうであれ、彼は私を本当に愛してくれている。





早産だったと偽ればいい。
血液型は元彼と一緒だから大丈夫。


元々子供が大好きだから、大丈夫。愛せる。


だって、こうするしかなかった。不謹慎だと怒られても…。

中絶なんてしたくない。


無職の私が一人で子育てなんて出来ないし、

私を愛してくれる彼なら、誰よりもこの子を愛してくれる。

…彼とならやっていける。私には彼しか居ない。


< 41 / 43 >

この作品をシェア

pagetop