短編■ 「誠に遺憾です」
28歳、高校教師、見た目は20点の旦那様。
出会ったその日に…なんて考えられなかった。
兄の結婚に意気揚々酔っ払った彼を、私はそのまま連れ込んだ。
酔った勢いだったのに、真面目だから責任をとるよ、と。
何も知らない彼は翌日私の彼氏となった。
それでしばらくして妊娠したと告げて今に至る。
きっかけはどうであれ、彼は私を本当に愛してくれている。
早産だったと偽ればいい。
血液型は元彼と一緒だから大丈夫。
元々子供が大好きだから、大丈夫。愛せる。
だって、こうするしかなかった。不謹慎だと怒られても…。
中絶なんてしたくない。
無職の私が一人で子育てなんて出来ないし、
私を愛してくれる彼なら、誰よりもこの子を愛してくれる。
…彼とならやっていける。私には彼しか居ない。