ジャクソンとマイケル

　あの日は、春の花の香りが漂うとっても天気のいい日だった。マイケルの耳の後ろに隠れて一緒に庭で日向ぼっこをしていたところにユータが帰ってきた。

「マイケル、ただいま」

　その声に、マイケルが耳をピクリと動かしたもんだからこっちとしたらたまったもんじゃない。

危うく落ちそうになったところをノミ仲間に助けられ、再びいつもの定位置へと戻るとユータの背後から顔を出したかわいこちゃんと目が合った。

いや、目が合ったといってもきっと相手は気づいてないだろうけど。

　もう、オイラはその時にビビビと運命を感じたものさ。きっとオイラは人間の王子様で、悪者の魔女の魔法でノミの姿に変えられているんだ。

そして、その魔法をといてくれるのがこの目の前にいるかわいこちゃんなんだって直感した。ほら、このオイラに向ける笑顔を見ればそれは一目瞭然だ。

「マイケル。この子はボクの友達のサクラちゃんって言うんだ。サクラちゃん、コイツがボクの自慢の愛犬でマイケルだよ」

「こんにちは、マイケル」