ジャクソンとマイケル
 マイケルにとっては、あの暴力ともいえるものがスキンシップという名の愛情表現に摩り替わっているようだ。何とも痛ましいことだ。

 そうは思っても、こちらとしては容赦するわけには行かないけどな。とりあえず、今日のところはサクラにオイラの存在を認識してもらったということで満足しよう。

 懲りずにサクラの腿に顔を乗せたマイケルめがけて、オイラは再び決死のジャンプをした。どうにか、着地に成功し長い時間をかけて定位置に戻る。

そこには、ノミ仲間たちが待ち受けていて、今日のオイラの成果を我がことのように喜んでくれていた。持つべきものは良き仲間かな。

 その後の、ユータとサクラといえばまったりのんびりしばらく過ごして帰路に着いた。

マイケルは、あれほどのダメージを負いつつも脅威の回復力でその後思う存分広場を走り回って大満足のようだった。

 オイラといえば、振り落とされないようにしがみつくので精一杯だったけどな。まあ、でもマイケルも元気そうで少し安心した。

なにせ、あんまりにも不憫で仕方がないからな。これは、早々にオイラがマイケルの目を覚まさせてやらなくちゃいけないかもしれない。

じゃないと、どうもマイケルが生命の危機に陥るような気がしてならない。宿主がなくなるのはどうしても避けたいところだ。

よし、明日はマイケル説得に一日を費やすか。そうと決まれば、今日はもう寝るのみ。

 今日は、なかなかに充実した一日だったから気持ちよく眠れそうだ。そう思ったか思わなかったかわからないうちに、もうすでに眠りの淵に落ちていた。

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