ジャクソンとマイケル
 サクラのお友達はかなりの犬好きなのか、「かわいいー」などと言いながらマイケルの頭を撫でながら、サクラのほうを振り返った。

「ねぇ、サクラの知ってるワンちゃんなの?」

「えっ? えーっと、うん。多分ね……」

 どうもサクラは、マイケルを歓迎していないようだ。まあ、今までの言動を見ていればそれもわからないでもないけど。

とはいえ、当のマイケルはそんなことに全く気づく様子もなく相変わらず尻尾を振りまくっている。

「あっ! もしかして、ユータ君のところのワンちゃん?」

 どうやらこの友達もユータのことを知っているようだ。サクラは、渋々といった感じで頷いている。

「多分ね」

「ねぇねぇ、そういえば。ユータ君とはどうなってんの?」

「どうって。うーん、もうちょっとって感じかなー?」

「おぉー、さすがサクラだね。あのユータ君を落とすなんて」

「でも、まだダメよ」

「どういうこと?」

 不思議そうに首を傾げるお友達に対して、サクラは嫣然とした微笑を湛えとんでもないことを言った。
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