ジャクソンとマイケル
おぉ、そう言いながらかわいこちゃん――もとい、サクラがオイラの目と鼻の先にやってきた。
春らしい水色の上品なワンピースをフワリとなびかせしゃがみこむと、さも犬好きだといわんばかりにこれでもかとマイケルの頭を撫でまくっている。
マイケルのヤローも満更でもなさそうな顔をして、いや、むしろ締りのないデレデレの顔で涎まで垂らしながら千切れんばかりに尻尾を振っている。
「かわいいねー」
「でしょ? マイケルもサクラちゃんのこと好きみたい。ボクも二人が仲良くなってくれて嬉しいよ」
二人はなんだかんだ話をしながら家の中へと入っていこうとしている。ドアを開けたすぐそこに、一人の人物が待ち構えていた。
「あらあら、ユータ。可愛らしいお嬢さんつれてきて」
どうやら、ユータの母親マキコさん登場らしい。
「あぁ、母さん。えっと、その……この子は、学校の友達のサクラちゃん」
しどろもどろのユータとは違い、何ともしとやかにサクラは会釈をしている。マキコさん、母親の目でしっかりとサクラをチェック。
母親と女友達の間を漂う無言のやり取りになど気づくはずもないユータだが、何となく居心地の悪い感じがするのかやたらと明るい声を上げる。
「こんなところで立ち話もなんだし、中、入ろうよ」
「あらあら、そうよね。ごめんなさいね、サクラさん。さあさあ、あがってちょうだ」
「はい、ありがとうございます。お邪魔させていただきます」
三人は、微妙な雰囲気を纏いながらも中へと今度こそ本当に入っていってしまった。
もう少しサクラのことを見ていたかったのだが、そんなことを言っても仕方がない。とはいえ、愚痴も出るってもんだ。
春らしい水色の上品なワンピースをフワリとなびかせしゃがみこむと、さも犬好きだといわんばかりにこれでもかとマイケルの頭を撫でまくっている。
マイケルのヤローも満更でもなさそうな顔をして、いや、むしろ締りのないデレデレの顔で涎まで垂らしながら千切れんばかりに尻尾を振っている。
「かわいいねー」
「でしょ? マイケルもサクラちゃんのこと好きみたい。ボクも二人が仲良くなってくれて嬉しいよ」
二人はなんだかんだ話をしながら家の中へと入っていこうとしている。ドアを開けたすぐそこに、一人の人物が待ち構えていた。
「あらあら、ユータ。可愛らしいお嬢さんつれてきて」
どうやら、ユータの母親マキコさん登場らしい。
「あぁ、母さん。えっと、その……この子は、学校の友達のサクラちゃん」
しどろもどろのユータとは違い、何ともしとやかにサクラは会釈をしている。マキコさん、母親の目でしっかりとサクラをチェック。
母親と女友達の間を漂う無言のやり取りになど気づくはずもないユータだが、何となく居心地の悪い感じがするのかやたらと明るい声を上げる。
「こんなところで立ち話もなんだし、中、入ろうよ」
「あらあら、そうよね。ごめんなさいね、サクラさん。さあさあ、あがってちょうだ」
「はい、ありがとうございます。お邪魔させていただきます」
三人は、微妙な雰囲気を纏いながらも中へと今度こそ本当に入っていってしまった。
もう少しサクラのことを見ていたかったのだが、そんなことを言っても仕方がない。とはいえ、愚痴も出るってもんだ。