ジャクソンとマイケル
「おい、マイケル！」

「んんー？　何だワン？」

　どこまで空気の読めないヤツなんだ。こんなときに居眠りしてやがったよ。

「おい、ヤバイって」

　そんなことはこの際置いといて、マイケルには邪魔者になってもらわなくては。

「だから、何がだワン」

　まだ寝ぼけているらしいマイケルの目を覚まさせるには……。

「ユータが、サクラにチューしようとしてるぞ！」

「えぇー！　それは、ダメだワン！」

　いきなりがばりと起き上がったマイケルに、いい雰囲気だった二人も驚いた顔でもう目と鼻の先まできていた距離をいったん離した。

　よしよし。とりあえず、お邪魔虫作戦は成功ってところだな。

「マイケル、どうしたんだ？」

　驚いた顔のままユータがマイケルに話しかけるが、マイケルはそのユータに対して威嚇するような唸り声を上げる。

　今まで兄弟のように過ごしてきたマイケルに、そんな態度を取られるとは思ってもいなかったユータは、かなりショックを受けたような顔をしている。

　まあ、そりゃそうだよな。ユータにしてみればわけがわからないはずだからな。ユータには悪いが、ここでユータに出し抜かれるわけにはいかないのさ。

　と思ってたところで、思わぬ伏兵がいた。その名も「サクラ」。
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表紙・目次

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