ジャクソンとマイケル
「ちぇっ、ユータのヤロー、サクラを独り占めしやがって」

 思わずぼやいた言葉に、思いもかけず反応があった。

「まったくもってそうだワン。ボクチンも、もっとなでなでして欲しかったワン」

 何だか知らないが、こんなところでマイケルと意見が一致してしまった。ということは、マイケルもサクラのことを特別視してるってことか?

「もしかして、マイケル。お前、サクラを落とそうなんて思ってないよな?」

「なんでだワン? サクランはボクチンのことを好きになるワン」

 どっから来るんだ、その自信?

 いや、でもマイケルはオイラとは違ってもうすでに認識はされている。この時点で、すでにオイラの方が出遅れているのは確かだ。

 いやいやいや、でも、マイケルにサクラはもったいなさ過ぎる。もちろん、ユータにもだ。サクラはオイラのお姫様だからな。

「残念だが、サクラを譲るわけにはいかないな」

「どういうことだワン?」

「サクラは、オイラの魔法をといてくれるお姫様だからな」

「魔法? お姫様?」

 マイケルがチンプンカンプンだというように大きく首を振ったものだから危うく落ちそうになる。

 まあ、わからないのは仕方がないが、これ以上ブンブンやられたらどこに飛ばされちまうかわからない。

仕方がないから、おバカなマイケルにもわかるように説明してやるか。
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