ジャクソンとマイケル
下を向いているサクラの顔は、オイラからはばっちり見える。なんともまあ、してやったりの笑顔だ。またまた形勢逆転か。
かといって、またマイケルをけしかけるとそれこそ逆効果の気もするし……。どうしたものか。
「……いいの?」
ためらいがちに上目遣いでユータを見るサクラ。こんな顔されちゃ、断れるものも断れるわけがない。案の定、ユータなんて顔を上気させてただコクコク頷いている。
「ありがとう」
そこにきての、花も綻ぶ笑顔を見せられた日にゃ。完全にノックアウトだ。
「じゃ、じゃあ。行こうか」
ユータ、目が泳いでるぞ。何かよからぬことでも考えてるな。
「マイケル、どうやら作戦失敗のようだ」
「そんなの嫌だワン」
「そんなこといっても、もうこれ以上打つ手がないぞ」
「じゃあ、もう一回ユータに威嚇してみるワン!」
「あぁ、そりゃ逆効果」
「何でだワン?」
「何ででも」
「よくわからないワン」
まあ、そうだろうな。複雑な駆け引きなどマイケルに出来るわけがない。ここは、最後の神頼み。二人の間に何も起こらないことを願うのみだ。
二人並んでリビングから出て行く背中を見ながらそれだけを願った。
かといって、またマイケルをけしかけるとそれこそ逆効果の気もするし……。どうしたものか。
「……いいの?」
ためらいがちに上目遣いでユータを見るサクラ。こんな顔されちゃ、断れるものも断れるわけがない。案の定、ユータなんて顔を上気させてただコクコク頷いている。
「ありがとう」
そこにきての、花も綻ぶ笑顔を見せられた日にゃ。完全にノックアウトだ。
「じゃ、じゃあ。行こうか」
ユータ、目が泳いでるぞ。何かよからぬことでも考えてるな。
「マイケル、どうやら作戦失敗のようだ」
「そんなの嫌だワン」
「そんなこといっても、もうこれ以上打つ手がないぞ」
「じゃあ、もう一回ユータに威嚇してみるワン!」
「あぁ、そりゃ逆効果」
「何でだワン?」
「何ででも」
「よくわからないワン」
まあ、そうだろうな。複雑な駆け引きなどマイケルに出来るわけがない。ここは、最後の神頼み。二人の間に何も起こらないことを願うのみだ。
二人並んでリビングから出て行く背中を見ながらそれだけを願った。