ジャクソンとマイケル
雲散霧消……
 待っている時間というものは、かくも長いものなのか。ユータの部屋に行った二人は、一向に戻ってこない。イライラだけが募る。

おそらく、能天気なマイケルが気持ち良さそうな寝息を立てて寝ていることにも起因するだろう。

 思わずマイケルの頭を思いっきり蹴っ飛ばしてやった。もちろん、マイケルに何のダメージを与えることすらできない。

逆に、オイラの力の最大限を出したものだから勢いよくマイケルから飛び上がっちまった。

 でも垂直に飛び上がったおかげで、どうにか無事にマイケルに着地することが出来た。今ここで変なところに飛ばされたらたまったもんじゃない。

マイケルには、はっきり言ってオイラは見えてない。おそらく声だけの存在だと思われてるからな。

 それにしても、遅い。二人とも何やってんだ? これは、ちょっと偵察に行ったほうがいいんじゃないのか?

 そうは思えど、マイケルは起きそうにないし……。そんなことを考えてると、マイケルの耳がピクリと動いた。

いつものことだが、いきなり動くの止めてほしい。いや、まあ大抵いつもいきなりだけど。

 どうにかさっき飛ばされずに済んだところだったのに、ここで飛ばされちゃ元も子もない。でも、何でマイケルの耳が動いたんだ?
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