BLUE
現実
わたし、長島 蘭は、今日から高校生。
中学では猛勉強して、都内でも有名な私立高校に入ることができた。
でもホント、信じらんない。
わたしなんかが、有名な私立高校に入れるわけないって、ダメ元で受けた高校だもん。
……にしても、さっきからちらちら見られてるような…?
でもわたしの格好はいたって普通。
化粧をしていない顔に黒ブチ眼鏡。
前髪は黒ピンでぴっちりとめて、きつく縛った三つ編み。
スカートは指定の膝丈の長さでシャツはぴちっと入れて、ベストはぴったりの大きさでブレザーも前を閉めている。
…あれ?
皆、全然違うカッコ…。
軽くかかったパーマに、茶色い髪。
化粧はまつげが盛られていて、頬が気のせいかピンクがかっている。
緩いニットセーターに短すぎるスカート……。
わたし、もしかして、浮いてる?
ガタッ
イスに座ると、なぜか孤独感が湧いてくる。
この感じ、知ってる。
わたしきっと、高校でもひとりぼっちだ……。
「うわ〜超ジミじゃね!?あのコ」
「うわっ、マジだ。ガリ勉じゃん」
周りから聞こえてくるひそひそ声。
きっと、蘭のことであろう。
自分でも分かってた。他の子たちみたいなオシャレしてないって。
わたしだって、オシャレをしたくないわけじゃない。
そりゃあ、少しでも可愛くなりたい。
でも、勉強で精一杯で、気がついたら、周りにオシャレを聞ける友達がいなくて、オシャレの仕方がわからないまま、高校生になってしまったんだ。
…そのまま、高校生活1日目は終わってしまった。