好きなもんは好き<短>
『そっか……』
悲しそうな顔をする清水君に、自分が重なって。
なんだか胸がジクジク痛い。
「本当にごめんなさい」
なんだか涙が出そうになるから俯いて顔を隠す。
自分のフられた姿を想像してしまったんだ。
「きゃっ!……清水君っ!?」
いきなり温もりが全身に伝わったから、顔を上げると、目の前はジャージにうめつくされていて。
清水君に抱き締められてるのが分かった。
『ごめん、ちょっとだけ…』
そんな苦しそうに言われたら振りほどけない。
でも戸惑うくらいはすればよかった。
私は後ろから近づく、清水君と同じジャージ姿の人影に、気付いていなかったんだ。
『どうゆうことだよ』
この声………
「天君……」
聞き間違えるわけない。