好きなもんは好き<短>
『これはそのっ…』
私から離れた清水君は気まずそうに吃る。
どうしよう。
天君勘違いするかな。
やだやだやだ。
違うよ、天君。
弁解したいのに上手く言葉が出てこなくて。
『―っざけんな…』
「へ?」
ぐい、といきなり手をひかれ、またまた目の前はジャージ一色。
でも…さっきと違うのは、安心感。
なんか、すごく安心する……。
……って!
「ててててててて天君っっ!?」
私天君にぎゅーされてるよ!?
何で?
理由は?
いかに?
ほわぁい!?!?
『お前は俺が好きなんだろ?』
天君の言葉は、パニック状態の私の脳でも、
鮮明に響いた。