好きなもんは好き<短>
――――好きなんだろ好きなんだろ好きなんだろ―――(エコー)
響いたけど、本質を理解するのに時間がかかった。
「うん、す…き」
しぼりだした声はなんだかいつも言ってた言葉じゃないみたいに、初々しくてドキドキした。
『だったら』
前には天君の胸板があって。
心なしかドキ、ドキって少し早い鼓動が聞こえる気がする。
『俺だけ見てろよ』
見てろ……?
「見てて…いいの?」
だって、天君言ったじゃない
「迷惑……なんじゃないの?」
『………はぁ!?』
天君は、ぎゅーしてた手を緩めて、次は私の肩をきつく掴む。
痛い……
『迷惑だぁ??』
「天君言ったじゃん……校門で……」
“校門”の言葉を聞いた瞬間天君は、はっとした顔をした。
『…あれは………。
〜〜っっ、もう!お前ちょっとこい!』
頭をぐしゃぐしゃかいて、私の手をひいた。
忘れてたけどすぐ後ろに清水君いたしね。