好きなもんは好き<短>
「てーんくーーん!」
今日も、彼の姿がみえると一目散にそばに走る。
『出たっ!』
『出た』って酷い!
しかもめちゃくちゃ嫌そうな顔してるし…
でも、私そんなことではめげませんよ。
「うふー、好・きっ!」
『おまっ!馬鹿じゃねぇの!?』
そんな事言いながら顔真っ赤にする可愛い男の子は、天野天君。
“野”が“天”に挟まれて可哀想。
『お前には言われたくない!花高花!!』
あ、心の声が漏れだしてたみたい。
「お揃いだねっ」
『たまたまだ!』
たまたまでもおたまでも、私にとったら嬉しいんだよぉだ。
「ねぇそろそろ私に好きって言う気になった?」
『だから俺は…』
「お前のことなんて好きじゃない?」
『え?』
分かってるよ。
何回も言われてるもん。
入試の時に一目惚れして、入学式で再会。
んで次の日に告白。
でから次の瞬間撃沈。
だけど諦めきれない私は、アタックし続けて今の状況。