☆オカマに恋した☆





あれは三年前の秋だった。




さびれた南武デパートの屋上にいて、人もまばらになりぼんやりとしていた時だった。





 鮮やかな夕日に照らされ靴を脱ぎ、きちんとそろえている人の姿が目に入った。




まぶしくてはっきりとは見えなかったけど、近くの学校の制服らしいチェックのスカートをはき、コートを風ではためかせていた。





 しばらくすると今度は、フェンスをよじ登り始めた。





 自殺? その光景からして、飛び降りるような気がしてならなかった。




 私は思わず、その人に駆け寄り必死に引きずり降ろそうと、力いっぱい足を引っ張った。
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