☆オカマに恋した☆





 私は愛の切れた唇に、そっとハンカチをあてた。




「いったぁー



本当あいつのパンチきくなぁー」



 そう言って、苦笑いを浮かべた。





 その時初めて、私は愛の心の奥底に触れたような気がした。





 何だかその表情は、いつもの愛らしくない、男らしい表情だった。




「何か今日、男らしいね」



 私は愛とケンカしていたことを、忘れたかのように言った。




「うん、強くならなきゃ、って思った。



男だからね」



 愛も私とケンカしたことを、忘れているようだった。



「ありがとう、助けてくれて」



 照れくさいながらも、言った。
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