☆オカマに恋した☆
「これは……真奈美」



 肖像画をなで、愛しいものを見つめているような瞳だった。




「懐かしくなって、はさんでおいたんだ」



 そう、まーちゃんには、たくさんモデルになってもらったんだ。





 私の描いた、まーちゃんの最高傑作だった。




満面の笑みで、まーちゃんは見つめている。





 私に見えるように、肖像画を愛はコンクリートにそっと置いた。





 私達は腰を下ろし、じっと中学生のままのまーちゃんを見つめてた。




「そういえば…真奈美。


ずっと部屋に貼ってた、絵があったんだ。



親友が描いてくれたんだって、言ってた。



その子は絶対将来ビッグな画家になるからって、自慢してた。



そういえば、ハルちゃんがね……ってよく話してた。



それがまさか、遥のことだったなんて」



 愛の言葉を聞いて、温かさに包まれた。




まーちゃんに、忘れ去られてたわけじゃなかったんだ。



「すごいね!



そんなこと言ってくれてたんだ!!」



 涙が自然とこぼれた。



何もかもが、にじんで見える。



まーちゃんも、愛も、空も…ー。
< 243 / 246 >

この作品をシェア

pagetop