☆オカマに恋した☆
「まーちゃんがここにいたら、楽しかっただろうな」



 涙をぬぐい、鼻水をすすりながら、私は言った。




それでも、とめどなく涙は頬を伝う。




「そうだね」



 愛はゆっくりと目を閉じ、それからゆっくりとまた開いてうなずいた。




 その言葉に応えるようにして、静かな温かな風に乗って、まーちゃんの肖像画が緩やかに空へと羽ばたいていく。




まるで、きらめくオレンジ色の光の中で、まーちゃんが笑っているようにみえた。




私は涙でぐちゃぐちゃの顔で、その笑顔に笑いかけた。




愛もぐちゃぐちゃの顔で、まーちゃんに微笑んだ。





 私達は、大きく手を振り、まーちゃんを追いかけて走っていく。









    ☆END☆
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