☆オカマに恋した☆
「ほぼスッピンだし、髪の毛も寝癖ついてるよ」



 私は愛の後頭部の跳ねてる部分を、差して言った。



「えっ? どこ?」



 慌てた様子で、跳ねてる場所を愛は探してた。



 そんな些細なことに、必死になる愛の姿が面白くて、ただ眺めてた。





 むしろ、ストレートより動きがあって、新鮮かも。




「やっと発見!!」



 少しして愛は、指に髪を絡ませ、巻き付け始めた。




 その仕草が、やたら色っぽい。




「学校では、目立たないようにナチュラルにしてるの。



それに、だいたいの人はこういう性格だって、知ってるし」



 まだ寝癖が気になるらしく、髪の毛をしきりに整えてる。




「イジメられたりしないの?」




「これといって、イジメはないかな。



一応カトゥとは、仲良いし。



でも、カトゥ以外の人は、あんまりアタシに触れないようにしてるのがわかるかな。



クラスメイトとは、仲が良くも悪くもない。



そんなところ」



 さらりと言ったけど、アタシと自分のことを名乗る男の子は、私の周りにはいないな。
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