恋の空模様
「ねぇ君、名前なんていうの!?」
さっきのヒロという男の子が遠くの席から話しかけてきた。それはとても突然で、あまりの驚きと緊張に私はロクに返事も出来なかった。
「お~いっ聞こえてる?」
反応のない私を不思議そうに見つめながら彼はゆっくりと近づいてきた。緊張と少しの恐怖で背筋が強張る。彼がいた席の女の子たちは私を見てこそこそと話をしていた。返事も無い私を嫌がっているのだろう。
「おいっ返事くらいしろよな!!」
彼は少し怒りながら、私の席にやって来た。下を向く私の顔を強引に覗いてくる。
「お前さぁ・・・緊張してんのは分かるけど、せめて返事くらいしろよ。感じ悪いぞ?」
「そ~!!思ったぁ!!」
「こっちがせっかく話しかけてやってんのにさぁ・・・」
さっきの女の子も、次々と会話に入ってくる。緊張してるの分かってるなら、もう少し気持ちをくんでくれてもいいのに・・・。どうして新学期早々、こんな目に合わなきゃいけないんだろう。新しい仲間とはうまくやっていきたいのに・・・。そう思ってはいるものの、私は顔を上げることが出来ないままだった。
「何この子。ありえないんだけど。」
「感じ悪・・・」
「名前なんていうの?さ・・・さくらぎ?」
「さくらぎは分かるけど・・・下がね・・・」
「せんあ?読めないっ」
・・・ガラっ
「おっ伶(れい)!!」
「ヒロじゃん。同クラ?」
「そう!!蓮(れん)は?」
「バーカ、別に決まってんじゃん。」
「だよなぁ・・・」
「で?寄ってたかって何の騒ぎ?」
「そうそう!コイツさぁ・・・」
次に話に入って来た男の子も、どうやら彼の友達のようだった。さっきの女の子たちと同じように私の顔を覗いてくる。
「なに?この子がどうしたんだよ。」
「さっきから全然喋んねぇの。返事もなしだし。」
「そりゃお前らがこんだけ集まって来たら話しにくいだろ・・・」
「えっ俺のせい!?」
「だろうな。」
そう言って伶という男の子は笑っていた。これまでさんざん責められてばっかりだったから、彼の言葉はすごく胸にしみた。この人は唯一、私の気持ちを分かってくれたんだ。
さっきのヒロという男の子が遠くの席から話しかけてきた。それはとても突然で、あまりの驚きと緊張に私はロクに返事も出来なかった。
「お~いっ聞こえてる?」
反応のない私を不思議そうに見つめながら彼はゆっくりと近づいてきた。緊張と少しの恐怖で背筋が強張る。彼がいた席の女の子たちは私を見てこそこそと話をしていた。返事も無い私を嫌がっているのだろう。
「おいっ返事くらいしろよな!!」
彼は少し怒りながら、私の席にやって来た。下を向く私の顔を強引に覗いてくる。
「お前さぁ・・・緊張してんのは分かるけど、せめて返事くらいしろよ。感じ悪いぞ?」
「そ~!!思ったぁ!!」
「こっちがせっかく話しかけてやってんのにさぁ・・・」
さっきの女の子も、次々と会話に入ってくる。緊張してるの分かってるなら、もう少し気持ちをくんでくれてもいいのに・・・。どうして新学期早々、こんな目に合わなきゃいけないんだろう。新しい仲間とはうまくやっていきたいのに・・・。そう思ってはいるものの、私は顔を上げることが出来ないままだった。
「何この子。ありえないんだけど。」
「感じ悪・・・」
「名前なんていうの?さ・・・さくらぎ?」
「さくらぎは分かるけど・・・下がね・・・」
「せんあ?読めないっ」
・・・ガラっ
「おっ伶(れい)!!」
「ヒロじゃん。同クラ?」
「そう!!蓮(れん)は?」
「バーカ、別に決まってんじゃん。」
「だよなぁ・・・」
「で?寄ってたかって何の騒ぎ?」
「そうそう!コイツさぁ・・・」
次に話に入って来た男の子も、どうやら彼の友達のようだった。さっきの女の子たちと同じように私の顔を覗いてくる。
「なに?この子がどうしたんだよ。」
「さっきから全然喋んねぇの。返事もなしだし。」
「そりゃお前らがこんだけ集まって来たら話しにくいだろ・・・」
「えっ俺のせい!?」
「だろうな。」
そう言って伶という男の子は笑っていた。これまでさんざん責められてばっかりだったから、彼の言葉はすごく胸にしみた。この人は唯一、私の気持ちを分かってくれたんだ。