恋花




「ねぇ、イチゴちゃんになんかしたわけ?」



「えっ…別にあたし達なにも……、そうよね、早乙女さん??」



涙目で言ってくるもんだから、
本当面倒くさい!



「そうですよ、早坂先輩。…私ビンタしかされてないんで安心してください、というより早坂先輩のせいなんで」



そう言うと眉毛をピクっとさせたチャラ男せんぱいに

化粧が落ちるんじゃないかって心配なアイラインの先輩



「…先輩、私帰ってもいいですよね?……家で待ってる人がいるんです」



「失礼します」にっこり微笑んで非常階段を出た私


2度目のビンタは早坂先輩のおかげでまぬがれたけど、1度目のはもちろん先輩のせいなんだから。

これ位は言わせてもらわなきゃ

学校を出る前にトイレに行くとやっぱり腫れている私の頬
そして唇の端には血がにじんでいた

…だからか喋る度に痛かったのは…


これで早坂先輩も私に近づかないといいけど。

でもさっき、すっごく悲しそうな目をしたのはなんで?
…まぁ、いいや。

気にしない、気にしない。

そう思ってトイレから出て下駄箱に向かっていると



「…イチゴちゃん」



多分、走って来たのか息を切らしているのは…早坂先輩



「……なんか用ですか?」



私がそう冷たく問うとやぱり悲しそうな顔をするから、
こっちが悪いみたい…なんか……変、私




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