恋花
マイの手を引きながら来た非常階段
「あのー、先輩…」
マイがそう口を開いた瞬間
「彩花」
聞きなれた声で私を呼ぶ声
昨日の今日で顔、合わすの嫌だったのに・・・
「彩花…ちょっといい?」
「無理」
「話があんの」
今はマイのことがあるのに
そんなのを理由にして卑怯な私
「そんなヒマないから」
「彩花ちゃん、行っておいでよ
俺イチゴちゃんだけに用があるんだ」
「でもマイ…」
マイのこと、こんなチャラいのと一緒にしていいのかな?
なのに、
「大丈夫、アヤ行ってきていいよ!」
マイは私の背中を押して私を非常階段から出した