Genius~守り人~
「列火、席を外せ。」
御前にそう言われ列火は無言で一礼し先ほど入ってきた扉から出て行った。
來は扉が閉まる音を聞いた後、御前の前に歩み出て跪く。
「何か御用でしょうか?」
「用という程ではないが。」
「何でしょう。」
椅子の肘掛けに肘を置き身体の前で手を組む御前を見上げる。
「來、最近お前自身に変わったことはあるか?」
「変わったこと…ですか?」
來は何故その様なコトを訊くのだろうと思いながらも考えを巡らせる。
頭の中に浮かんだモノは最近よく見るようになったあの夢。
誰のものか分からない声と影。
その影が言う『目覚める力』『解かれる封印』
気になるものの來はやはりただの夢と判断し、
「ありません」
と答えた。
「…そうか。ならばよい。だが、今後何かあれば教えて欲しい。」
「分かりました。」
來はそう返事して頭を深く下げる。
「では、もう下がってもよろしい。」
スッと立ち上がり一礼をすると向きを変え扉を開いて部屋を出た。
その時、「思い違いであって欲しい…來だけは…」と御前が呟くのを微かではあるが確かに聞いた。
御前にそう言われ列火は無言で一礼し先ほど入ってきた扉から出て行った。
來は扉が閉まる音を聞いた後、御前の前に歩み出て跪く。
「何か御用でしょうか?」
「用という程ではないが。」
「何でしょう。」
椅子の肘掛けに肘を置き身体の前で手を組む御前を見上げる。
「來、最近お前自身に変わったことはあるか?」
「変わったこと…ですか?」
來は何故その様なコトを訊くのだろうと思いながらも考えを巡らせる。
頭の中に浮かんだモノは最近よく見るようになったあの夢。
誰のものか分からない声と影。
その影が言う『目覚める力』『解かれる封印』
気になるものの來はやはりただの夢と判断し、
「ありません」
と答えた。
「…そうか。ならばよい。だが、今後何かあれば教えて欲しい。」
「分かりました。」
來はそう返事して頭を深く下げる。
「では、もう下がってもよろしい。」
スッと立ち上がり一礼をすると向きを変え扉を開いて部屋を出た。
その時、「思い違いであって欲しい…來だけは…」と御前が呟くのを微かではあるが確かに聞いた。