Genius~守り人~
「…御前の言葉が気になってて…」

來は自分が考えていた事を草火に話した。




普段から人に関心を持たない御前は何故自分の変化の有無を訊くのか


來が部屋を出て行く時に呟いた言葉の意味。


そして最近見るようになったあの夢のこと―







來の話に草火は真剣に耳を傾ける。






御前や他の人達には言えないこと。



でも來は草火だけにはには本当のコトを話すことができた。

ここにいる人たちには心は開けない。

悩みの相談も不可能に近い。

組員達のネットワークは凄まじい。

前日話した事でも翌日になると殆どの人が話の内容を知っていたなど、しょっちゅうあること。

失敗談や相談事は噂話となり尾ビレがついて人々に伝わっていく。

そんな風になってしまうのは、噂話の中からでも少しでも多くの人の弱みを探し出し、任務の時にその人物の脚を引っ張り手柄を自分のモノにしてしまおうという思惑が裏に隠れているから。


だからいくら気心知れた仲でも本心を言うことはままならない。




最も、來にとって知られて困るような弱みなどは無かったが、




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