Genius~守り人~
「その人の名は『朱雀』
ウルトの守り神の一人よ。
陽の人は守り神の事を『四神』なんて呼んでるわ。」


「…四神…」


「『白き耳と尾、金色の瞳を持つ者・白虎
蒼き髪と瞳を持つ者・玄武
碧の髪と瞳を持つ者・青竜
紅の髪と瞳、翼を持つ者・朱雀
彼等は 東西南北を守る 我が国の守護神である』

陽に伝わる伝説の一つ。他にも幾多の説があって、地域によって様々だけどずっと確かで、有名なモノ。」

「でも所詮、伝説は伝説。実在するとは限らないのでは?」

一度草火を見上げて、直ぐに視線を逸らした。

「…そう言えば、伝説と言っても四神の力を持つ人が居るって聞いたことがあるわ。
確か…白虎と玄武だったかしら…」


草火は宙に視線を泳がせる。

「そんな人も居るのですね。」

イマイチ興味を持てていないのか、來はボソリと呟く。

「しかし、もしその人物が朱雀なら何故私の夢に…?」

「…ごめんなさい。私には分からないわ…」


薄明かりの中で首を振る。



互いに何も口を開かない刻が流れた。



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