Genius~守り人~
夢
『やつらが…やつらが来た…
早く逃げろ!』
…やつら…?
誰…?
家の前を走っていく人たち
遠くから聞こえる爆音と悲鳴
『來、コッチよ。早く!』
自分の手を引いて家を出ていこうとする女性
『きゃあぁぁ!!』
しかしその人は叫び声を上げ後退りをする。
『その子どもを渡せ。』
戸口に立つ武装した二人の男
『渡さない。この子は私たちの大切な娘だ。』
男達の前に立ちふさがる男性と女性
『お父さん、お母さん…』
隣に立つ人が呟く。
『私たちは後で行くわ。あなた達は先に逃げなさい。』
『……分かった。』
少し躊躇った後その人は向きを変え裏口へと向かった。
ドンッ ドンッ
裏口を出た直後聞こえた二発の銃声
私の手を握る力が僅かに強くなる
一人でに流れる涙
幼い私にもはっきりと分かった
養父母が死んだこと