Genius~守り人~
「忙しいヤツだな、お前も。」

氷はうんざりしたように、溜め息をつく。

「でも、來奈程ではないよ。
明日から葦原に行くんだろ?」

「そうだけど…延期になるかもな…」

「俺、その話聞いてねぇんだけど」

不機嫌そうに氷は2人の話に割り込む。

「來奈、氷に言ってなかったのかい?」

そんな氷の顔をちらりと見て、護は視線を來奈に戻す。

「護は口が軽いから、もう氷に伝わってると思ってた。」

「…今、思い出したんだよ…」

ポリポリと頭を掻くと、ばつが悪そうにチラリと目を氷に向ける。

「……ハァー。
まぁいい、いつものことだ。」

呆れた顔をして氷は溜め息をつく。

「じゃあ、俺との勝負はどうなるんだよ!
約束しただろ。」

氷はハッとして來奈に詰め寄る。

「約束はしてない。
オレは『考えとく』と言ったんだ。」

來奈は呆れた様に言う。

「………」


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