Genius~守り人~
ズンッ
2本の剣は來奈を貫くことは無かった。
「來……」
「…沙…柚……?」
目の前に立つハチミツ色の瞳の少女
腹部にはあるはずのない赤と青の2本の剣の切っ先が生えている。
短剣は消え、2つの傷口から大量の血液が溢れ出した。
「…無事…みたいね………」
力はなく前のめりに倒れる沙柚
來奈はその身体を抱き止めた。
「…沙…柚……何故…こんな……」
「どうして……って……さっき…言ったでしょ……
……私はもう…誰も……喪いたくない…………の…」
いつものように笑って見せようとするが、痛みですぐに崩れてしまう。
「クソッ……血が……」
とめどなく血が溢れ出す傷口を押さえる。
「來……奈……」
「沙柚?何で…名前……」
「草姉に……聞いたの……」
フフッと微笑みを浮かべ來奈を見上げる沙柚
「草姉が……」