Genius~守り人~
「―――」
自分を呼ぶ悲鳴に似た声
ー 秋…姉……?
ドオン
顔を上げると熱い風が頬を撫でていった
それ以外何も感じない
目を開くと前には秋穂が立っていた。
「秋…姉…?」
背中に大火傷を負った秋穂はそのまま地に伏した。
「秋姉!?」
呼び掛けても反応は無い
― どうして…?
秋姉まで……
また涙が溢れ出す
ー …オレの力は何のためにある…?
ヒトを護れないなら、無いと同じ…
ザッ
黒い服を身に着けた者が現れた。
そのヒトは來奈と目が合うや否や刃を向けてきた。
― …もう…イヤ……
何もかも…イヤだ……イヤ……イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ…………………………………だから…
「……来るな…………来るな…………………来るなぁぁぁぁ!!!!!」