Genius~守り人~
「はい。」
御簾のこちら側にいる少女が答えた。
彼女は、せなかの中ほどまである髪を頭の高い位置で結び、この国の学校の制服を身に着けている。
そして、影しか見えない御簾の向こうに座る帝を見据えていた。
その瞳は他の人々とは違う紅色をして、開かれた戸口から差し込む光に照らされた長い髪は黒い中にもほんのりと紅色に染まっている。
「風火來奈(かざひ らいな)、頼んだぞ。」
再び帝から声がかかり、來奈は深く頭を下げる。
「必ず、哀哭溜を潰して参ります。…これ以上、被害者を出さぬ様…人々が苦しまぬ様…」
そこまで言うと、頭を上げ胸に右手を当て
「お任せください。」
と、真剣な目差しを向けた。
それから、御簾のこちら側で帝に近い所に座る右大臣・左大臣等と二・三言葉を交す。
それが終わると、彼女は立ち上がり一礼をして後ろを向いた。
そして、2列に分かれ狩衣と呼ばれる彼らの正装をしている人達の間を抜け、大広間から出て行った。
御簾のこちら側にいる少女が答えた。
彼女は、せなかの中ほどまである髪を頭の高い位置で結び、この国の学校の制服を身に着けている。
そして、影しか見えない御簾の向こうに座る帝を見据えていた。
その瞳は他の人々とは違う紅色をして、開かれた戸口から差し込む光に照らされた長い髪は黒い中にもほんのりと紅色に染まっている。
「風火來奈(かざひ らいな)、頼んだぞ。」
再び帝から声がかかり、來奈は深く頭を下げる。
「必ず、哀哭溜を潰して参ります。…これ以上、被害者を出さぬ様…人々が苦しまぬ様…」
そこまで言うと、頭を上げ胸に右手を当て
「お任せください。」
と、真剣な目差しを向けた。
それから、御簾のこちら側で帝に近い所に座る右大臣・左大臣等と二・三言葉を交す。
それが終わると、彼女は立ち上がり一礼をして後ろを向いた。
そして、2列に分かれ狩衣と呼ばれる彼らの正装をしている人達の間を抜け、大広間から出て行った。