Genius~守り人~
彼女は頷くと、大樹に再び背を預ける。

「…來奈は…まだ来てないんだ…」

うつむいたまま隼人はポツリと口を開く。

弥那はトンネルのある方へ視線を移す。

そして目に飛込んで来たのは、もうもうと立ち昇る煙―


「……う……そ…………來奈っ!」


「落ち着け!弥那!!」

無理矢理立ち、そこへ向かおうとする彼女を抑え、隼人は真剣な目を向ける。

「でもっ…」

「アイツなら大丈夫だ……きっと… 」

「そうそう、來奈はあんな事では死なない。

今までもそうだっただろ?

…だから…な…」

2人の強く優しい瞳を見て、彼女は落ち着いて来たようだ。



「…わかった。

私も來奈が生きて帰って来るって信じる。『必ず帰る』って言ってたんだもんね。」

弥那は2人に微笑んでみせる。



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