Genius~守り人~
「君があの稲村か…」
向かいの男は顎ひげを撫でながら、稲村を品定する様に見る。
彼はそれを気にせず話を続ける。
「確かに風火からは大きな力を感じました。
しかし、あの哀哭溜をたった1人で倒すことが出来るとは思えません。
彼女1人で倒せると言うのなら、あの時私達の部隊は負けていなかったはずです。」
稲村は悔しそうに顔を伏せる。
彼も被害者の1人。
彼は1年前まで大智隊の隊員として、内裏の護衛を勤めていた。
護衛に就いて一週間が過ぎたある日、哀哭溜の襲撃があった。
その時は、援軍のおかげで追い返す事ができた。
しかし、これにより多くの仲間が命を落とし、彼自身も深手を負った。
稲村は蘇ってきた記憶に表情を歪ませたが、必死に堪える。
「彼女1人では危険です!」
「まぁ落ち着け、稲村。」
右隣に座る大信隊長の細田が穏やかに彼をなだめる。
「すっ…すみません…」
細田の声で我に返った稲村は首をすくめる。
向かいの男は顎ひげを撫でながら、稲村を品定する様に見る。
彼はそれを気にせず話を続ける。
「確かに風火からは大きな力を感じました。
しかし、あの哀哭溜をたった1人で倒すことが出来るとは思えません。
彼女1人で倒せると言うのなら、あの時私達の部隊は負けていなかったはずです。」
稲村は悔しそうに顔を伏せる。
彼も被害者の1人。
彼は1年前まで大智隊の隊員として、内裏の護衛を勤めていた。
護衛に就いて一週間が過ぎたある日、哀哭溜の襲撃があった。
その時は、援軍のおかげで追い返す事ができた。
しかし、これにより多くの仲間が命を落とし、彼自身も深手を負った。
稲村は蘇ってきた記憶に表情を歪ませたが、必死に堪える。
「彼女1人では危険です!」
「まぁ落ち着け、稲村。」
右隣に座る大信隊長の細田が穏やかに彼をなだめる。
「すっ…すみません…」
細田の声で我に返った稲村は首をすくめる。