ねぇ、笑って
ばかだよ。


ほんと、ばかだね。


たとえ受け入れてもらえなくても、少しでも私は高野君にとって特別だったんじゃないかなんて。


ここに、いてくれるんじゃないかなんて。


仲直りできるかもなんて。


『ここの桜綺麗だよなー。あ、そうだ。夏は毛虫で一杯だろうけど、ここ桜以外にも緑が一杯あるから、秋はきっと綺麗だぞ。秋にここで紅葉見ながら昼飯でも食おうぜ』


そしたらあの約束を果たしてくれるかもなんて。












なんて浅はかな。




ここには1人だけということが、余計に涙を誘った。
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