ねぇ、笑って
「つーかーれーたー!!」

愛はマックの机にだらしなく上半身を預けた。

「どうだった、初めての合コンは?」

ニヤニヤ笑う真実に

「初めてのおつかいみたいに言わないでよ!!」

愛はむくれて返した。

「で?誰かのメアドでもゲットした?」

真実のその言い方は『した?』と訊いているにも関わらず、『できた?』と訊いている様だった。

『うん、一応』

『えっ!!ホントに!?』

ホラ来た。

出来ないと思っていたから出た言葉だ。

そして、いつもならその言葉が的を射ていただろう。

「うん」

「え、誰!?」

「高橋 連くん」



『ね、アドレス交換しねぇ?』



そう言って、彼は私に赤外線送信でプロフィールを送ってきた。

私が彼の名前を忘れていることに気づいていたのかもしれない。
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