プリンスの素顔
11・過去
――5年前――
当時、俺にはどうしても敵わない人がいた。
それは俺の兄貴だ。
頭も良くて運動神経も抜群でなんでも出来た。
東大に通っていた兄貴は将来有望だとみんなから言われていた。
その点俺は、特別頭が良いわけでもなければう運動神経がいいわけでもない。
唯一良かったのは顔だけだ。
でも顔なんかで勝ったって嬉しくない。
なにかで兄貴に勝とうと毎日勉強した。