プリンスの素顔

その夜、兄貴と廊下ですれ違った。


「明裕、さっきはごめんな。」



えっ?


「いや、別にいいよ。」


いつもの優しい兄貴に戻っていた。




「俺さ、この家出ていく。」


兄貴の目は本気だった。




「はぁ?!ちょっと待ってよ。」





「明裕にキレた後考えたんだ。

こんなになったのはこの家にいるからだと思うんだ。」




「………。」


俺は反論できなかった。





< 143 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop