プリンスの素顔

どのくらいたっただろうか。



気付くと、エンジンは止まっていた。




「着いたよ。」




私はぎゅっとつかんでいた手を緩めた。




「今から少し歩くよ。」



明裕は手を差し伸べてきた。




『え?』



なんのことかわからずに立ち止っていた。




「ほら。」



明裕は私の手を強引に取ると、歩き始めた。




< 53 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop