ギャル姉のヤンキーな弟
A:アイス



『お母さん、コレお弁当だよねっ??持ってくよ!?』

「そうそうそう!ほら、早くしなよ!遅れるよ!!」



お母さんはそう言ってあたしを急かす


…あんたが寝坊するからでしょ!


あたしはテーブルの上の黄緑の布で包まれたお弁当をぶん取って
スクバに仕舞いこんだ


そしてバタバタと廊下を駆けぬけ、
急いでローファーに両足を突っ込む



『……ん〜〜っ、チッ!!』



中々はまらないローファーにムカついて
踵を踏んだまま玄関のドアに手をかける



『いってきまーすっ!!』

「おう、張り切って頑張ってこいやぁ!!」

『了解っ!!』



母がリビングから顔を覗かせてニカッと笑うと、
あたしも歯を見せて笑いながら敬礼した


黙ってればお母さん綺麗なのになぁ…


内でそんなことを言われているお母さんは
それに気付くわけもなく、頑張って手を振っていた


それを背中越しに理解しながら、あたしは家を出た



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