君の笑顔
01.私の今恋
今、恋しています。
「なっ、なな!なかとうくん!仲藤くんがいるー!!」
「わかったから落ち着け、美桜奈。」
放課後はいつも、部活の前に図書室の窓から外を眺めるのが、私たちの日課になっていた。
その視線の先にいるのは、
私の憧れの人、
仲藤 香太朗くん。
「だってだって、今日は眼鏡かけてるんだよ!?しかも黒ブチ!」
「今日は、じゃなくて今日も、でしょ。」
私の親友、宮古 遥に言われてよくよく昨日の仲藤くんを思い出す。
「……あ、ホントだ。」
「まったく美桜奈は…。毎日仲藤のこと見てるわりには、そんなに好きじゃないんじゃないのー?」
「わっ、私は別に仲藤くんのこと好きじゃないよ!ただカッコいいなって思うだけで、ちょっとした憧れなだけで……。」
「そうゆーの好きって言うんじゃぁないの?」
「違うよ〜っ。」
確かに仲藤くんはカッコいいし眼鏡も似合ってて魅力的だけど…。
だけど話したことなんかちょっとしかなくて、
きっと仲藤くんは私のこと覚えてなんかない。
そんなので好きって言われても困るよね。
「美桜奈も素直になればいいのに。」
「嘘なんかついてないよー!」
それに、一番問題なのは、
「しっかし美桜奈の好きな相手が、……まさか年下のガキとはね。」
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