この日の花火を忘れない
ちょっとの間、夜空を彩る花火を見ていたけど、すぐに親父さんへ視線を戻した。

俺とほぼ同じタイミングで、親父さんも俺に視線を戻してくれた。

俺が頷くと、親父さんはニヤッと笑った気がした。



まだ花火は続いていたけど、俺はわざとその花火に背を向けた。



ドーン ドーン……

音だけ耳に入ってくる。



しばらくは、花火を綺麗と思う事は出来ないだろう。

それは今日のこの気持ちを思い出すからだ。



だったら……。

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