キミ色ヘブン
人生の選択を間違えない賢い優等生なお姉ちゃん。それに比べて妹の私はここぞという時に大間違いをする。

そう、例えば今回みたいに……。

「あ~あ」

声に出さなきゃ体中がため息で埋め尽くされて、いつか窒息してしまうんじゃないかと思う。

「“ランク外のキミ”とシマ。……マジ違いすぎ~」

そう嘆いてみた時、ファンファンと窓の外で車のクラクションが響いた。

お姉ちゃんのデートはいつも車での送迎付き。

いつだったか『彼氏にあんなに大切にされて羨ましい』ってお姉ちゃんの友達が言ってたのを思い出した。

神様、もしかしてこれは試練なのでしょうか?

窓の外をのぞめば満天の星空。こんな訳わからない問いに対する答えは当然のことながら闇の中。

まだ冷たい夜風が慰めるかのように頬を撫でていった。
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