キミ色ヘブン
あ……やってしまった。『皆と違う』って思われてしまう。

次第に顔を上げられなくなっていく私。

「あ……ありがと」

頭の上の方から低い声が降って来て、顔も上げずに小さく頷くのが精一杯だった。

パンチパーマの先生に『もう教室戻れ』と背中を押されて私は歩き出す。ドキドキして指先が震えて、周りの人の表情を想像するだけで真っ直ぐ前なんてとてもじゃないけど見れなかった。

これがあの日あった事。

私が覚えてる事。
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