キミ色ヘブン
地面を軽く蹴ればブランコが揺れ、優しい風が少しは醜い私を浄化してくれるようなそんな気がして、しばらくそれに身をまかせた。

心地いい揺れに次第に心が落ち着いていく。

渇いた紺碧の空に浮かぶ雲を見上げた。


本当は謝ってなんて欲しくなかった。

傷つけてやりたいけど、本当は傷ついてなんて欲しくなかった。

私はただ……

本当は……

いつもみたいに『メドゥーサみたいだね』って無邪気に笑って欲しかったんだ。

『そんな白川さんも好きだ』って手を差しのべて欲しかったんだ。



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