キミ色ヘブン
『明日、“ボウソウ”に行くんだけど。一緒に行ってくれませんか?』

「……あ、うん」

“ボウソウ”?

『僕、明日誕生日なんだ。だから、明日だけでいいんだけど。一緒に……。あ、でも予定があるなら別に無理しなくて──』

「うん。行く。行くよ」

『……ありがと。じゃ、明日夕方6時すぎに迎え行くよ』

「うん。待ってる」

『じゃ』

「うん」

用件のみで静かに切れた電話。

明日、何があるんだろう。

あれ以来ずっと連絡を取ってなかった私達。

急に会って、何があるんだろう。なんだか怖い気がした。

でも。

何があってもいいや。私は中山君と誕生日を過ごせるのなら、

彼に会えるのならそれでいい、と思ってしまう。

ああ、いつから私はこんな乙女キャラになっちゃったんだろう?

苦笑いしながらクーラーを止めて窓を開ける。

仰ぎ見たのは満天の星空。

「それでもいいよね?」

それに答えるかの様に星が瞬いた。
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