キミ色ヘブン
久しぶりに会った中山君は……真っ黒な上下の服を着ていた。

「ねぇ、中山君。ひょっとしてボウソウって……」

首に黒いバンダナを巻いた中山君はどう見ても……。

「暴走ですけど?」

「ボウソウってこの暴走だったの?」

「うん。え!!白川さん、もしかして――」

「……房総半島に行くのかと……」

だって、ここから房総って行こうと思えば行ける距離だって、シマが言っていたから……。

「え……。マジ?」

コクンと頷いた私に中山君はちょっと笑って、それから困った顔をする。

「あ、でもいい。うん。暴走でもいい。うん、大丈夫だから」

本当に大丈夫。キミとなら。

「でも。別に無理しなくてもいーよ」

「……連れてって?」

「本当にいいの?」

もうこれ以上、私を置いて行かないで下さい──
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