キミ色ヘブン
途中のコンビニでバイクを止めた中山君が友達とケータイで話してるのをボーッと聞きながら、私は……正直ビビっていた。

だって……

『暴走』って……捕まったりしないんだろうか?

テレビとかの特番だとパトカーに暴走族が追いかけられて“一斉検挙”と言う文字が画面を踊ったりするんだよね?

私、逃げ切れるだろうか?

「──川さん、白川さん。どうしたの?」

気がつけばケータイを閉じた中山君が私を見下ろしていた。

「あ……。何でもない。うん」

「…………そう?」

「うん」

中山君と私の間を微妙に弱く生暖かい風が抜けていく。
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