キミ色ヘブン
“どう?彼氏と上手くいってる?”

メールは華から。
帰りのHRが終わってすぐに中山君が『白川さん、一緒に帰れる?』と入って来た時も意味深な笑顔を向けてきたっけ。

キュッと腹筋の辺りが引き締まるような感覚がしてそれは体中を駆け抜ける。

そうだった。負けてらんないんだ。

今日の中山君との色気も素っ気もない会話を思い出して、上手くいく以前の私達である事は分かっているけど、あえてこう書かせて貰おうじゃないか。
“上手くいってるよ”ってね。

そうだよ。

もうこうなったら『そんなに想われて幸せだね~』『いいな~、ラブラブ』って羨ましがられるしかないじゃん。

たとえそれが“ランク外のキミ”だったとしたって。

よく考えれば、他の子だってそんなに格好いい男の子と付き合ってるわけじゃないけど、私達女の子は『あ~、手なんて繋いで微笑み合って、幸せそうでいいな~。羨ましい』ってよく話してるじゃん!

お姉ちゃんの友達だって『あんなに大切にされて羨ましい』って言ってたんだし。

意地とプライドが邪魔して、別れるなんて今さら出来る訳ないんだし。

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