キミ色ヘブン
……でもさ、華ってそんな事もするんだけどね、中学から付き合ってればいいトコもあるもんなんだよ、と恵美は優しく笑った。

ああ……

“ランク外”って思ってたのは……華じゃなくて、ホントは私だったんだ──

「うん。分かる……」

人はいろんな面を持ってる。

それを見せるか見せないかの違いなのかもしれない。

それに気づくか気づかないかの違いなのかもしれない。

だとしたら──

だからこそ、私は言わなくちゃ。ちゃんと言わなくちゃ。

「恵美。私ね、中山君が大好きなんだ。……たぶん華にも負けない位に。大切なんだ、ホントに」

「……何を今さら。あ、ノロケ?ノロケたいの?」

恵美に見て貰いたい。知って貰いたい。この夏の私を。

「違う。で、手っ取り早く結論から言うと、実は私も振られてしまったりなんて──」

「ええええええええ!!」

のどかな昼下がりのベランダ。恵美の絶叫は風に乗ってグラウンドに流されていった。

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