キミ色ヘブン
「み、三上さん!待って」

そんな彼らの横をすり抜けて、私は廊下へ走り出た。

不思議そうに振り返った三上さん。

「三上さん、あの萌木の時……ご、ご、ごめんね?本当にごめんなさい」

三上さんは無表情で「それならもういい」と言う。

あの夏の日に一度は謝ったけれど。それでもやっぱりきっちりと謝りたくて。

この前、そう相談した私に『白川さんが謝りたいって思ってんなら、それがいいんじゃないの~?』と中山君はのほほんと答えた。


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